2019/1/29

TCHって何?

あなたもTCHかもしれない

最近TCH(tooth contacting habit)が歯科臨床現場での大問題になっています。
当院においても多くの患者様が、TCHに該当する症状を持っていらっしゃいます。
これは、食いしばり習癖の一種ですが、少し違うのは、食いしばりよりも小さな力で上下の歯の持続的な接触を習慣にしてしまっている方の不定愁訴もしくは歯や歯肉、顎関節症、噛むための筋肉の圧痛や肩こりなどの違和感です。
本来食事時間以外は奥歯が1〜2ミリほど開いています。これを安静空隙と言います。
それが常時もしくは長時間上下が接触していればあなたもTCHです。

TCHはなぜおこる?

スマートフォンやデスクワーク、家事などで俯向く姿勢が多い方は下顎がやや前方に移動し上下の前歯がぶつかりやすくなります。その接触は歯の周りの歯根膜というセンサーから咬筋という咀嚼筋を反射的に活動させます。(緊張性歯根膜咬筋反射)
また、ストレスや集中、過度の緊張によっても咬筋は活動しやすくなります。
咬筋の収縮により上下の歯が接触するようになってさらに咬筋が活動し悪循環となり、習癖へと発展します。それがTCHです。

TCHの予防法と対策

本人が自覚していない場合は、まず自覚から始めます。付箋などで台所やデスクに目印をつけておき、それを見たとき上下の歯を接触していないかを自覚します。
もし付箋を見たとき5割以上接触しているようならTCHと思って良いでしょう。

もし上下の歯を接触していると感じたらすぐに両肩を持ち上げ鼻から大きく息を吸い込みます。その後肩を落とし脱力しながら口から息を吐き出します
こうして力を抜けば歯が離れるということを繰り返せば咬筋の収縮の悪循環がなくなり徐々に回数が減ります。

臨床的にTCH症状として考えられるもの

・義歯の圧迫感や傷のない痛み
・咬筋の肥大化
・歯の破折亀裂
・歯槽骨の膨隆
・知覚過敏
・歯の移動
・歯周病の悪化

夜間の歯ぎしり食いしばりでも上記は起こりますが、その場合は短時間です。
TCHはその半分以下の咬合力で日中比較的長時間で起こることが問題です。

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